[2003.05.15]
  危の時


 ▼ソフトの悪用は開発者の責任か?(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0305/14/cead_mccullagh.html


 ボクはナイフを作っていた。ただ,人々のためにナイフを作ることが自分の仕事だと思っていた。

quote:ふたつのピア・トゥ・ピア(P2P)ソフトの開発元を米国レコード協会が提訴していた訴訟で,連邦地裁は開発元にはユーザーの行為に対し責任がないとの判決を出した。まさにその通りで,こうした点を理解できる連邦判事がいたことはうれしい事実だ。だがこれからの展開に注目しよう。レコード協会は規制を強めるための法律制定という手段に出るかもしれない。

 だが,ある日,ボクは裁判所に呼ばれた。ボクの作ったナイフで人を殺した人がいたらしい。しかも殺した人は,ナイフがあったから殺した,と云ったのだそうだ。ボクだって人を殺すことを許したいとは思わない。ならば,ボクは転職するしかないのだろうか? または殺人者に加担をしている人として生きていくしかないのだろうか?

 …と,ナイフ職人の少年のお話を綴っていても,実際はP2Pソフトの話と,このお話はまったくの別物だったりする。偽り誤魔化しまやかしのテキストだ。なぜかというと,殺人が許されることは少ないが,ファイル共有はなんの悪事でもないから。そも,なんの悪いことでもないことに使っているソフトを開発したからといって悪者にされることなどあるわけがない。とっても美味しいオムライスを作っただけで牢屋に入れられるような社会を作ろうとしている人たちがいる。今はそういう気配に満ちている。それに対して,ユーザーは変革へと満ちる気持ちを高めている。気持ちは暴発しそうな,危険な暴発の時に近づいている。


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